2017年12月22日金曜日

季節外れの、宿敵来訪


 夜中。
 
 突然の違和感に、目を覚ましました。
 場所としては、右頬に、それは在りました。
 
 夢うつつの中で、その違和感を、感じてみます。
 
 その感覚は、
 非常にゆっくりと、少しずつ、明確な感覚に変わっていきましたが、
 それでも、それが「何」の感覚かのか、なかなか、探り当たりません。
 
 というのも、
 とにかく分かるのが、
 「最近感じていない」感覚であり、
 かつ、「睡眠中に感じることの無い」感覚である、
 ということ。
 
 そのまま、意識を向け続けると、
 ようやく、
 「もしや?」という案が、一つ、出てきました。
 
 自分で出しておきながら、
 しかし、あまりにも唐突な、その案に、
 訝(いぶか)しげに、指を、違和感の在る場所に運びます。
 
  「え? やっぱり ... 」
 
 脹(ふく)れたその箇所を触りながら、
 自ら出した案を受け入れるべきなのだなと、思っているとき、
 
 右耳に、その思いを確信させる、
 聞き慣れた音が、届きました。
 
  「ブ〜〜ン」
 
 蚊でした。
 
 
 明かりをつけます。
 
 時計は、1時50分を指しています。
 
  「あ、ほぼ冬至だ」
 
 まだ、虚(うつ)ろな頭ながら、
 記憶が一つ、あがりました。
 
 東京の冬至時刻は、1時28分だと、
 昼間に、見ていました。
 
  「冬至に、蚊に刺された」
 
 だんだんと、はっきりとしてきた痒(かゆ)みに、
 頬を指で摩(さす)りながら、
 
 その、奇妙な出来事を、
 人生で初めての体験を、
 その感覚を、
 
 半ば呆(あき)れ、
 半ば笑いながら、
 味わい、受け入れていました。
 
 
 その後、
 蚊は、
 
 布団の、ピッタリ目の前の場所に止まり、
 僕に、姿を確認させてくれました。
 
 蚊に刺されたことは、
 間違いありませんでした。
 
 
 このブログをお読みくださっている方は、
 ご存知だと思いますが、
 
 僕にとって、
 蚊は、
 
 とてつもなく、強大・強烈な、存在感を有していて、
 そして、極めて重要な、「浄化対象」です
 
 (よろしければ、過去記事「 」「 蚊、再び 」をお読みください)
 (また、津留さんが、蚊について言っていたことについては、
  過去記事「 蚊とか蜂とか 」をお読みください)。
 
 その、蚊が、
 「冬」という季節の、最重要な節目である、
 「冬至」に現れ、
 
 そして、
 刺してきた。
 
 
  「僕にとって、『蚊』とは、何なのか?」
  「なぜ、そこまで、『蚊』が嫌なのか? 嫌いなのか?」
 
 徐々に明確になって来た、
 意識の中で、
 
 改めて、その設問を、
 自分の中に、深〜く、落としました。
 
 
 得られた答えは、
 気づいてみれば、
 僕にとって、明白なものでした。
 
  「『迷惑』な存在だから」
 
 
  迷惑なこと。
  迷惑・負担をかけること。
  自分勝手なこと。
  わがままなこと。
 
 
 やはり、
 僕が、大嫌いな事柄です。
 
 それをする、外側の存在を、
 好みませんし、
 
 自分が、それをすることは、
 なおさら、認めていません。
 許していません。
 
 
  「その想いを、今後も、持ち続けていくのか?」
 
 自分で、自分に、問わざるを得ませんでした。
 
 
  「いいや、もういいんじゃない?」
 
 答えは、
 当然のように、すんなりと、出てきました。
 
 
 新年は、
 ここに、向き合うことになりそうです。